ケリー基準

株式投資はどれだけ銘柄を研究したとしてもギャンブルの側面、予測できない部分があります。思っていた業績が出ないのはもちろんですが、例えばコロナなどのパンデミック地震等の天災、地政学的リスクやリコール、粉飾決算等は予測できない事柄です。

なので個人的には一銘柄に集中するのは危険であり、ある程度の銘柄に分散するのが一撃死を避けるために必要と考えています。

そうすると、一銘柄に全体資金のどれくらいを入れるかということになります。

ケリー基準は賭けのリターンとその確率を元に、試行を繰り返したときに最適な、つまり資産を最も大きくする掛け金の割合を表すものになります。

ケリー基準は以下の数式で表されます。

f:id:gfareast:20200613235429p:plain

fは総資産に対しての掛け金の割合

bは掛け金に対してのリターン(10ドル賭けて4ドルのネットリターンであればb=0.4)

pは勝つ確率、qは負ける確率(1-p)

ケリー基準wikipediaからの例

例として、あるギャンブルの勝率が60%(p=0.6,q=0.4)で、ギャンブラーが1対1のオッズを受け取った場合(b=1)、ギャンブラーはバンクロールの長期的な成長率を最大化するために、各機会にバンクロールの20%を賭けなければなりません。

0.6(1+1)-1/1=0.2。

株で置き換えると、2倍株に60%の確率でなるという自信がある投資案件には全資産の20%を入れると良いということになります。

株は0、100のギャンブルでは無いので

10%で2倍

20%で1.5倍

20%で1.2倍

30%でイーブン

20%で0.8倍

純化すると上記のように確率とリターンの分布になるはずです。

なのでそのまま株には適用できないですが、参考にすることはできると思います。

b=0.5だと、p(0.5+1) - 1が0より大きくならないといけないので少なくとも0.66以上のpが必要になります。

b=0.5でf=0.1となるpは0.7です。これは資産の10分の1を投資するのであれば、1.5倍株に70%の確率でなる必要があるということです。これは少し厳しい基準にも感じますが、直観ともある程度合致するのではないかと思います。

現実にはどの株にいくら入れるべきかということを公式で出すことはできません(できると思ってはいけない)が、ケリー基準も参考にしつつリスクを取りすぎない適切な範囲で投資をしていきたいと思います。生き残ることが最優先です。

 

ケリーの公式1:ケリーの公式(ケリー基準)とは何か - 木原直哉オフィシャルブログ

ケリーの公式2:億り人という概念の無意味 - 木原直哉オフィシャルブログ

ケリーの公式3:見積もるチカラ - 木原直哉オフィシャルブログ

ケリーの公式4:応用の難しさ - 木原直哉オフィシャルブログ

ケリーの公式5:取らざるを得ないリスクと取るべきではないリスク - 木原直哉オフィシャルブログ

らうの投資メモ : 天才数学者はこう賭ける(ケリーの公式)

成長株投資とケリー基準 | エナフンさんの梨の木

ケリー基準(まとめ) | エナフンさんの梨の木

ケリー基準 - 超ウィザード級ハッカーのたのしみ

ケリー基準の再考: リスク評価

ケリー基準(ケリーの公式) ウォーレンバフェットも使う投資サイズ判定法 | 1億人の投資術

ケリー基準の投資への適用: ポートフォリオに対する最適なレバレッジ | hassのまったり投資譚

Kelly criterion - Wikipedia

Risk of ruin - Wikipedia